プロジェクトX 限界を超えた通話 ~24汁に挑んだ男達~ 前編





Sのレコンキスタ


ボンオドリという界隈があった。

……今では汁の鯖名としてしか聞くことがないその言葉。



かつて、梵我(ボンオドリ界隈のツイ廃を指す)は一大文明を築き上げた。

彼らは毎日0時に花園たえと呟いて、TLを震撼させた。

大学別研究会を作り上げ、勢力争いを繰り広げた。


↑Discord、汁サーバーのアイコン。

もはやここにしかバンドリ要素が残っていないのではないか


↑かつての栄華を示す貴重な歴史的資料たち





ボンオドリDiscordサーバーはその末期に作られた。

梵我の盟主であった九花研の消滅、そして梵我のバンドリ離れがはじまりつつあった2018年春のことである。


九花研の消滅からそう経たずして、界隈は分裂・縮小をはじめた。

ボンオドリサーバーは一部の残党が占拠し、いつしか「汁」と呼ばれるようになった。




それから2年が過ぎた、2020年。

学生身分を謳歌していた者は就職活動に追われ、ある社会不適合者は卒業を目指し、あるラボ畜は社畜となった。

このサーバーも、かつて雨後の筍のごとく乱立した大学ボンオドリサークルの大多数と同じ末路を辿るはずだった。








汁は2020年、隆盛を極めることになる。

その原因とは……












2020年、世界を襲ったコロナウイルス。


大学生は、コロナ禍で授業が延期した。
新卒社会人は、リモートワーク研修で暇を持ては余した。
アルバイト先も失われた。
我々は引きこもり生活を強いられた。元からだろ


勉学、労働に勤しめなくなった若者たち。
鬱屈する感情が、一つの娯楽に向けられた。








コロナ禍のなかでは、汁は最強の暇潰しであった。

この時期に実装された配信機能の追加も汁の発展に拍車をかけた。


共産主義者が街を造っては燃やし、大石(俺のelonaのキャラクターです)は洞窟で餓死を繰り返し、博麗霊夢はフランドール・スカーレットに虐殺された。

それに我々は熱狂していた。

まあ要するに暇だったのである。


もはや通話の時にしか声を発さなくなった男達は日夜汁のあるべき姿について議論し、そしてついに辿り着いた。




24時間、いつでも汁が行われていればいいのに。


それこそが至上の汁なのではないか?


ならば、それを実践すべきではないか?と。





↑完全にクーベルタンを超えた




こうして一つのプロジェクトが始動した。








これは、通話の限界に挑んだ男達の記録である。







(オープニングテーマ:地上の星

♪~

バンドリ追うオタク

中打ちきた梵我

みんな何処へ行った 見送られることもなく


毎日のたえチャレ

アニメを見るモチベ

みんな何処へ行った 見守られることもなく


昨日の通話の内容 誰も覚えていない

声優の顔ばかり見てる


あまねよデカい肩幅 教えてよ至上の顔を

あかげよ至上の汁は 今何処にあるのだろう


果たして本当に汁は世界を救えるのか


24時間汁~愛は地球を救う~ 略称24汁。

スケジュール決め会議は4月27日に行われた。

開催日まであと3日しかないが、男たちの顔に焦りはない。

↑シルタ会談 左からチャーチ留、ゲイズベルト、スター陳またこの三人かよ


まず問題として挙げられたのが、24時間では脳汁が出ないというものだった。

終了時間は日付が変わる瞬間にしたいが、そうすれば24時に汁開始となり健常者が集まりづらくなってしまう。





この問題を解決するために、24時間という縛りを捨てた

午後7時からはじめてしまえばいい。簡単な話だ。

こうして24汁は30汁になった。当然あとで死ぬほど後悔することになる


↑今まで3回開催されましたが、実は一度も24時間行われたことはありません(タイトル詐欺確定)



またんがょぺ氏発案で汁ラジオの開催が決定し、おたよりフォームも募集された。


↑準備といえばこれくらいだった 大量のフォームを準備している今では考えられない


当然30時間もやることがなく時間は余ったが、その時間はいつも通りフリートークで繋げばいいだろといった杜撰豪快な意見が通り、スケジュールが完成した。





↑汁を充填剤だと勘違いしている



準備を万全に整えた男達は楽観視していた。

言うていつも夜から朝まで通話してるし、いけるだろうと。


そして2020年4月30日午後7時。

史上最大の通話作戦がはじまる──────。




※ここからはタイムテーブルに沿って24汁の軌跡を追っていきたいと思います


静かなるドン ~料理対決~


最初の1時間をノリと勢いで突破した午後8時。

料理対決が開催される。

オーダーは「汁にふさわしい丼料理」。

↑令和のBISTRO SMAP




自らの料理人としての誇りを賭けて、男達は戦った。


↑結果はこのツイートのリプ欄を確認しよう!



……Twitter投票で圧倒的な支持を得たビントロラーメン丼。

優勝は決まったかと思われた。


しかし「ピンチケのほうが汁にふさわしい」という意見に皆が流される形となったため、陳アシェフの「最強丼」が優勝を果たした。やはり汁飯の体現者は格が違った


-おまけ-

↑暇研シェフ(?)による「ぶり丼」。米がないため失格処分





↑某シェフによるヨーグル丼。見た目がグロすぎるのとヨーグルトの味がするので失格処分(モザイク加工しております)

ちなみに私も飢餓なのに大葉を丼上に乗せたため失格になるところでした(いいだろうが別に何買っても)





Siru Live!!(終)



2019年11月末、道玄坂で一つの伝説的なライブがあった。



↑このブログに詳細が載っています






第二回梵我ライブは5月2日に開催する予定だったが、コロナや他のゴタゴタのせいで無期限延期となっていた。

↑楽しみだな!




オンラインセッション。

身体は離れていても、思いは一つ。

梵我ライブを悼む鎮魂歌が、汁中に響き渡った。


梵ラ2ndをいつまでも待っています




How do I Live on such a FIELD?


23時。汁のゴールデンタイムと呼ばれる時間帯。

これを1度で2回も楽しめる、これほど贅沢なことはないだろう。胃もたれしそうだ。


そもそも汁は基本的に一人用ゲームの配信傾向が強く、当時は複数人で同じゲームをすることは皆無であった(やってたの街づくりゲームとか東方とかなので)。

そんななかでも行われた、数少ない汁公認マルチプレイゲームが存在した。


↑みんなも好きな声優に神器を持たせて殴り合おう!



これは大いに盛り上がり、24汁瞬間最大人数を記録。

もうこのままあと24時間ゴッフィして終わりでいいんじゃない?という弛緩した空気が流れた。たるんでる



↑特に語ることがないのでゴッフィのベストバウトを載せておきます(あかげい倶楽部公認E-Sports)




汁ラジ


2020年5月1日午前3時。

日付も変わりすべてが寝静まる時刻だが、男達に睡眠は許されない。


24汁の名物イベントとなった汁ラジオ第一回。

おたより募集を3日前に行う暴挙だったが、なんと4通ものおたよりが届く。



↑送るラジオ間違ってるよな?



↑唯一のまともなおたよりだったので賞賛された 汁特製ステッカーを獲得

声優ラジオの5億倍くらいの採用率を誇るのでぜひ皆さんもハガキ職人になりましょう

どっかに第一回汁ラジオの音声記録が残っているので気になるネットストーカーの皆さんは探してみてください


座談会来ない?


起きてそうなオタクに電話をかけ、汁に強制召集するという24汁未曽有の問題企画が午前4時から行われた。

そこそこの人がこんなクソみたいな時間に来てくれたので普通に驚き、汁メンの熱い絆を感じたひとときだった。





絶望の朝



朝7時。

いつの間にか、戦場に立っているのは3人だけとなっていた。


男達の顔に、焦りが浮かぶ。

↑まだ半分も終わってねえのかよ やべえよ…って3分おきくらいに言ってた






……通話には誰も現れない。

当然だ、深夜まで通話にいたオタクは今頃眠っているのだから。ガチでうらやましい

そしてそもそもGWに朝から用事がある人はDiscordなんて開かないのだから。



それでも男たちはWindows Media Playerから音楽を流しそれを配信し(Rythmは当時誰も権限を持ってないのでこうするしかなかった)、3人で話し続けた。

話し続けないと眠ってしまいそうだった。





残り18時間。

まだ24汁は、折り返してすらいなかった。



あかげい倶楽部公式共同ブログ

リョナ界の不動遊星としてTwitter界隈を掌握した赤羽鯨太郎氏を中心に結成されたグループです 社会適合者・睡眠健常者・味覚正常者によって構成されています

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